会長挨拶
豊田剛己(東京農工大学大学院先進学際科学府)
2025年6月より日本土壌微生物学会の会長を仰せつかっております豊田剛己(とよだ こうき)と申します。土壌微生物学会の前身である土壌微生物談話会は、微生物が土壌中に生息し、土壌を媒介として活動するという共通した認識に基づいて、その研究をより発展させる目的で1954年に土壌微生物学者と植物病理学者とが集い、発足しました。その後、本談話会は土壌微生物研究会と改称し、更に1998年には日本土壌微生物学会へと発展しました。したがって、本会は70年近くの歴史を持つ伝統ある学会です。この間、当初68名で始まった会員数も約350名となり、学会誌「土と微生物」も79巻に至っています。
本学会の活動によって得られた業績は、農学のみならず微生物学や生態学、植物学など幅広い分野に及び、農林業や環境保全に貢献してきました。これまで、本学会の発展に寄与されてきた諸先生方および学会員の皆様に、この場を借りて深く感謝する次第です。
2021年に「みどりの食料システム戦略」が策定され、耕地面積に占める有機農業の割合25%、化学農薬使用量(リスク換算)50%低減、化学肥料使用量の30%低減などが我が国の目標として掲げられています。また、様々な土壌汚染に対する微生物による環境修復など、現代社会において土壌微生物学に求められる知識は益々増大しています。今後も社会のニーズに応えるために、学会員の諸氏と共に本学会のあるべき姿を模索しつつ、更なる発展のために努力して参りたいと考えております。引き続き、皆様からのご支援を賜れれば幸いです。
令和7年6月 豊田剛己
※過去の会長挨拶は
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