
学会誌「土と微生物」最新号
- 75-2
- 75-1
- 既刊号
75巻2号(2021年10月発行)
追悼
犬伏和之・Agnes Tirol Padre・伊藤 治・齋藤雅典・土屋健一・安達克樹:渡邊 巌先生を偲んで
シンポジウム
沢田こずえ・渡邉哲弘・舟川晋也:「ミニマム・ロスの農業」の規範となる自然生態系および伝統的農業生態系土壌における炭素・養分循環の解明
妹尾啓史・増田曜子・伊藤英臣・白鳥 豊・大峽広智・Xu Zhenxing・山中遥加・石田敬典・高野 諒・佐藤咲良・Shen Weishou:水田土壌における鉄還元菌窒素固定の学術的基盤解明と低窒素農業への応用:低炭素社会の実現を目指して
浅川 晋:日本人の主食 お米の生産を支える微生物
原著論文
龍田典子・居石優子・古賀夕貴・坂本唯乃・三谷果穂・阿部紘乃・上野大介・染谷 孝:阿蘇地域で生産される野草堆肥およびその施用土壌等における拮抗菌の分布と性状
日本土壌微生物学会2021 年度大会講演要旨
書評
田中治夫 編著,村田智吉 著:「土壌環境調査・分析法入門」
犬伏和之,白鳥 豊 編:「改訂 土壌学概論」
75巻1号(2021年4月発行)
巻頭言
染谷信孝:今こそ学会誌による情報発信を
シンポジウム
小寺俊丞・菱池政志・小松 健・有江 力:エンドウ萎凋病菌の特異検出から見えてきたこと
太田寛行・西澤智康:土壌微生物と気候変動
原著論文
馬場隼也・平 英敏・冨樫 智・犬伏和之:シアノバクテリアおよび石膏を用いたリーチングに代わる塩類土壌修復の検討
立脇祐哉・肥後昌男・磯部勝孝:南関東での冬作物管理の違いや耕起の有無が後作トウモロコシに感染するアーバスキュラー菌根菌の群集構造に及ぼす影響
Shigenobu Yoshida, Tomomi Sugiyama, Masako T. Noguchi, Keiko T. Natsuaki, Hiroshi Sakai, Akiko Furusawa, Keisuke Hoshino, Kentaro Ikeda: Creation of a dose-response curve (DRC) pattern of soils against Verticillium wilt of Chinese cabbage
斎藤宏二郎・長野紀章・安樂 遼・山崎智美・野村奏史・吉田重信:ブロッコリー根こぶ病におけるDRC 作成法の省力化および圃場の発病ポテンシャル評価への応用
書評
染谷 孝 著:「人に話したくなる土壌微生物の世界」
斉藤雅典 編著:「菌根の世界」
こんなことが,いま
東條元昭・市川桂菜:「日本土壌微生物学会2020年度大会」開催報告
バックナンバー
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記憶に残る巻号
この前年,日本土壌微生物学会は設立50周年を迎えました。現在(2022年)の宍戸会長が50周年記念のアンケート調査結果報告を執筆されていて,「多くの会員は“微生物多様性”,“微生物群集”,“有用微生物”,“根圏微生物”等の科学的知見を深め,“生物防除”等の技術に応用することで,“持続可能な農業”や“環境保全”の分野で社会に貢献すること」が本学会のあるべき姿であると報告されていることが印象的です。是非,ご一読ください!
この年の5月,土壌微生物研究会から日本土壌微生物学会になりました。当時の丸本会長の巻頭言を拝読すると,「自然農法や生ごみリサイクルなどに対する社会的関心」に言及されています。環境問題への対応が特に叫ばれていた時代だったように思います。20年以上経過したいま,解決すべき課題はまだまだ多いように感じます。
土壌微生物研究会設立25年の記念号です。飯田会長(当時)の巻頭言には,「産業の発展とともに,国土の開発が進み,耕地は次第に減少している」と記されています。2022年現在,頻繁に耳にする耕作放棄地は当時問題となっておらず,平成2年頃から放棄地面積が増加していったそうです。現在とは異なる時代背景のなか,社会の課題を捉え,解決を模索する研究者の姿勢を感じることができます。
最初の東京オリンピックが開催された1964年,昭和30年代末の土壌微生物研究,なかなか想像できませんが,掲載論文からは,時代を拓く研究者の熱量を強く感じることができます。2070年はどんな世界になっているのでしょう?