書籍等

書籍の紹介


1) 土壌微生物研究会編 『土と微生物』 (岩波書店、1966年)

 土壌微生物談話会の10周年を記念して出版された。古坂澄石氏は本書の冒頭、「土壌微生物学は最近10年に至るまで日本の国に住みつきえなかった。」と振り返り、「この間の成果をもとに現時点における日本の土壌微生物学の位置付けと将来の方向性を見出すための作業の一環」として出版したと、その主旨を明らかにしている。本書の願いは、「わが国の土壌微生物学者達が何をどのように考え研究しようとしているか」、「わが国の土壌微生物学者達がこの国の土壌の特殊性を十分生かすと共に、わが国の微生物学や土壌学のよき伝統をできるだけ正しく受けつごうとしているか」を紹介することであり、さらに「わが国の土壌微生物学がより広い視野でより全面的に発展する必要のあることの強調」であった。

2) 土壌微生物研究会編 『土壌微生物実験法』 (養賢堂、1975年)

 土壌微生物談話会が発足して20年近くが経過し、会員も600名近くに達し、社会の土壌微生物への関心も増加していた。その結果、「土壌微生物の研究においてもっとも欠けていることは日本語の土壌微生物の実験法がないことであり、このことが測定法の不統一などを招くとともに、この分野に興味を持つ研究者が土壌微生物に入りにくい状況を作り出している」(鈴木達彦)ことが懸念されていた。このような背景をもとに、「本書のみによって、土壌微生物の知識のない人でも正確に実験が出来ること、得られた実験結果の解釈を可能にすること」等、当時の土壌微生物に関する実験手法を網羅する実験書となった。

3) 土壌微生物研究会編 『土の微生物』 (博友社、1981年)

 学会創立25周年を記念に刊行された。先の『土と微生物』当時に比べて、わが国の土壌微生物学の著しい進歩と諸外国の成果を加えて編纂された。。当時のエネルギー問題を背景とした土壌微生物による効率的物質循環、環境汚染問題、農業現場における微生物に起因する諸障害、等に関連して、社会が土壌微生物に大いなる期待を寄せるようになったことも刊行の動機になったと思われる。

4) 土壌微生物研究会編 『新編土壌微生物実験法』 (紀伊国屋書店、1992年)

 先の『土壌微生物実験法』絶版後、「バイオテクノロジーの発展にともなう遺伝子組み換え微生物の環境中での動態、微生物の多様性、有害物質・廃棄物の微生物処理、有用物質産制遺伝子の探索、導入微生物による植物生育促進・病害虫防除」(鈴井孝仁)など、新たな土壌微生物への関心が高まった。前書を補うとともに、新たな時代の要請に対応した実験書であり、現在も土壌微生物研究のためのマニュアルとして広く利用されている。

5) 土壌微生物研究会編/日本土壌微生物学会編 『新・土の微生物 (全10冊)』 (博友社、1996〜2003年)

 『土と微生物』、『土の微生物』を改訂し、最新の土壌微生物像を紹介したものである。前書からの課題を引き続き取りあげるとともに、社会の土壌微生物に対する高い関心と分子生物学や微生物工学の進歩に触発された土壌微生物学の現状、が10冊のシリーズに詳しく紹介されている。



大会シンポジウムテーマ
以下のシンポジウムの発表内容は,各年の学会誌「土と微生物」第2号に収録されています.

2010年 「eDNAによる農耕地土壌の生物性解析・評価手法の開発」
      「植物根圏微生物メタゲノム解析に向けて」
      「Functional Single Cell分離が明かす水田脱窒細菌の機能と生態」
      「難培養性細菌種のゲノム完全長配列取得による機能解明」
2009年 「16S rDNA等を用いたマイクロアレイによる土壌細菌叢解析の試み」
      「九州沖縄地域における有害委線虫の分類と地理的分布,および土壌DNAを用いた検出の試み」
      「土壌診断と拮抗微生物によるジャガイモそうか病防除技術」
      「食品の安全性と麦類赤かび病の制御」
2008年 「環境細菌の機能解析―ポストゲノム時代を見据えて―」
2007年 「環境保全型農業における微生物の利活用」
2006年 「生物多様性の中の機能ネットワークを探る」
2005年 「農業生産と微生物多様性」
2004年 「遺伝情報の再編成・水平伝播と環境適応・進化」
      「生物多様性の保全と組換え微生物の野外利用」
2003年 「土壌伝染病原菌の防除対策−ジャガイモそうか病をめぐって−」
2002年 「環境保全型農業のための微生物利用:複合微生物系における有用微生物の動態と制御」
2001年 「アジア地域との微生物研究のネットワーク−アジア微生物の多様性解明と有用機能の開発−」
2000年 「土壌微生物研究のパラダイム」
1999年 「農業における微生物利用と土壌微生物研究」
1998年 「環境と土壌微生物」
1997年 「共生・寄生微生物の進化と環境適応」
1996年 「土壌微生物制御による環境保全型農業への展望」
1995年 「微生物の環境導入とその技術的問題」
1994年 「共生土壌菌類と植物の生育」
1993年 「土の微生物世界」
1992年 「土壌微生物としてのPseudomonas属細菌」
1991年 「野菜・花きの土壌病害をめぐって」
1990年 「微生物の環境適応機構」
1989年 「土壌病害と土壌微生物」
1988年 「組換え微生物の農業利用−野外での利用を中心にして−」
1987年 「今話題の土壌微生物」
1986年 「免疫学の最近の進歩と土壌微生物学への適用」
1985年 「土壌微生物とバイオテクノロジー」
1984年 「有機物と土壌微生物(農業生産並びに環境浄化の視点から)」